◇インドにお百度、住職一息
火災から11年ぶりに本堂が再建され、本堂とともに焼失した国の重文「千手観音菩薩立像」に代わる新本尊が19日安置された安土町の西国32番札所・観音正寺。岡村潤應住職らは「ようやく全国の観音信徒のみなさんに顔向けができるようになった」と一息つき、5月22日の落慶法要に向け本格的な準備に入った。
新本尊の千手千眼観世音菩薩坐像は「観音像は白檀で作るべし」の教えから総白檀(びゃくだん)で、光背を含め6メートルを超す大仏像が今後建立されることはなさそう。信徒らから「将来、国宝になるのでは」との話も出ている。
1400年続く古刹(こさつ)の本堂や本尊を火災で失った関係者は、強い決意で復興にあたった。何度もインドに足を運び、インド政府の特別の取り計らいで輸出禁止の白檀を23トンも輸入。一方、信徒への托(たく)鉢などで再建資金を集めた。岡村住職は「何から何まで、信徒さんにお世話になってしまった。これで何とかお許しが得られそう」と、新本尊に手を合わせた。
これまで水も出なかった山中だが、再建工事中に突然、大量のわき水を掘り当て、今後の防火に役立つ水を得た。また、台風で樹齢200年のヒノキが倒れ、新本堂の外陣の柱になった。幹の周囲1.8メートル。柱からは西国33カ所と同じ数の節が見つかり、「抱き付き柱」と命名した。
落慶法要には、西国33番札所の全札所の住職が駆け付け、総白檀の新本尊開眼法要も営まれる。【斎藤和夫】(毎日新聞)
[4月21日20時11分更新]
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